「音から作る映画」とは、映画制作の通常のプロセスを逆転して、音(サウンドトラック)から映像へ制作する前代未聞のプロジェクト。しかも、ライブ・パフォーマンスと映画制作を往還しながら、まるで音楽のように作品を次々生み出し、デジタルになった映画の可能性、新たな地平をきりひらこうとする異才・七里圭監督の野心的な試み。
このシリーズ最新作『アナザサイド サロメの娘 remix』と、そのプロジェクトに先立つ2012年に発表された35㎜フィルム作品『DUBHOUSE:物質試行52』を併映。もはやクラシックとも言える、美しいフィルムの闇と光を表現した短編映画とともに、電子音楽の俊英、稀代のダンサーなど多彩なアーチストとコラボレートしたデジタル前衛劇映画を、ふり幅広く二本立て上映する。
〈上映順番〉
『DUBHOUSE:物質試行52』(16分) → 『アナザサイド サロメの娘 remix』(84分)
※作品の性質上『DUBHOUSE:物質試行52』上映途中での入場はできません。
『サロメの娘 アナザサイド in progress』あれから、100年以上が過ぎたらしい。
不在の父をめぐる娘と母の記憶の物語。
監督 | 七里圭 |
出演 | 長宗我部陽子/黒田育世/飴屋法水/工藤美岬/山形育弘/黒川幸則 |
声の出演 | 青柳いづみ/原マスミ/sei/山崎阿弥 |
作品データ | 2017年/日本/84分/HD |
配給 | charmpoint |
2010年国立近代美術館における建築家・鈴木了二のインスタレーション「物質試行51:DUBHOUSE」の記録映画。建築が生み出す闇を捉えるという当初の意図は、翌年3月11日の出来事により決定的な変化を被る。
七里は、展示作品を撮影した光の部分と同じ時間の闇を冒頭に置き、その中に鈴木が描いた被災地のドローイングを沈ませた。映画館は、闇を内在した建築である。その闇から浮かび上がろうとする映画は、映画館に放たれる光であると同時に、祈りであるかも知れない。これは、極北のメタ映画であり、歴史的出来事への応答でもある。
監督 | 七里圭 |
共同監督 | 鈴木了二 |
作品データ | 2012年/日本/16分/35mm(kodak) |
配給 | charmpoint |
上映期間 | 3/18(土)~3/31(金) |
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上映時間 | 21:00 |
当日料金 | 一般:1,800円/大・高:1,500円/シニア:1,000円 |
備考 | ★上映順番 『DUBHOUSE:物質試行52』(16分) → 『アナザサイド サロメの娘 remix』(84分) ※作品の性質上『DUBHOUSE:物質試行52』上映途中での入場はできません。 ★リピーター割引(チケット半券提示):1,000円 |