前作『まんが島』で圧倒的鬼才ぶりを見せつけた守屋文雄監督が、またやった!
こんな映画観たことない――。
うたた寝している中古車屋の娘は、もうすぐ30歳になろうというのに、家でゴロゴロ、昼過ぎに起きて、中古車屋の裏の喫煙所に何年も吊られっ放しの、雨ざらしのハンモックにぼよんと寝転がり、起きるでも眠るでもなく、生い茂る木々の葉っぱを眺めているように見えて、実は今後の人生について思いを巡らしながら、ふと頬を風に撫でられた途端に宇宙のことを考え出し、夏の空に伸び広がる天気輪の柱を見た気がしたのだが、やがてそんなこともどうでもよくなって、いつの間にかうたた寝をはじめ、今日もまた陽が暮れていく。
……というようなストーリーはこの映画にはありません。物語らしいことは何も起きない。ただただ女の子が寝ているだけの映画です。にもかかわらず、確かに何かが起きている。どうしてこんなものが撮れてしまったのか、それは分かりません。「見つめる」行為の向こうに立ち現れる“何か”。この映画で目にしたことは、決して言葉にしないでください。「すずしい木陰」は、あなたのために作られた映画です。
監督 | 守屋文雄 |
出演 | 柳英里紗 |
作品データ | 2019年/日本/96分/ビスタ/5.1ch/DCP |
配給 | cogitoworks |
上映期間 | 7/4(土)~7/10(金) |
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上映時間 | 16:20 |
当日料金 | 一般:1,500円/大学・高校:1,300円/シニア:1,000円 |