2013年、ヨーロッパの国際映画祭を騒然とさせた”極北の短編映画”が新宿に凱旋!本作は、2010年国立近代美術館における建築家 鈴木了二のインスタレーション「物質試行51:DUBHOUSE」の記録映画。建築が生み出す闇を捉えるという当初の意図は、翌年3月11日の出来事により決定的な変化を被る。七里は、展示作品を撮影した光の部分と同じ時間の闇を冒頭に置き、その中に、鈴木が描いた被災地のドローイングを沈ませた。映画館は、闇を内在した建築である。その闇から浮かび上がろうとする映画は、映画館に放たれる光であると同時に、祈りであるかもしれない。これは、極北のメタ映画であり、歴史的出来事への応答であるもある。
【上映順番】
①『DUBHOUSE:物質試行52』FUJI
②『DUBHOUSE:物質試行52』Kodak
③『To the light 1.0』
「DUBHOUSE:物質試行52」が驚異と絶賛をもって迎えられた理由―それは、フィルムでしか表現できない闇を極限まで追求したことにある。今回はそのパフォーマンスを200%披露するために、同じネガから焼いたFUJI(初号)とKodak(2号)、2本のプリント両方を上映。それぞれの特性の違いを見比べる、まさに「物質試行」――35mmフィルムの豊かで繊細な表現力を堪能する、またとない機会だ。
監督 | 七里圭/鈴木了二 |
作品データ | 2012年/16分/35mm |
2013年オムニバス映画「ヒカリエイガ」の一篇として制作されるも、当初から完成を拒んだいわくつきの短編。今回若干のリニューアルを施し上映する。インダストリアル・パンクな映像は、生産終了したFUJIの8mmフィルム”シングル8”へのレクイエム。1.0と付記された通り、今後シリーズとして増殖する予定。
監督 | 七里圭 |
出演 | 古賀彰吾 |
作品データ | 2014年/3分/HD |
上映期間 | 3/1(土)~3/14(金) |
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上映時間 | 21:00 ※作品の性質上、途中入場はできません。 |
当日料金 | 一般・学生・シニア/1,000円 |