描くことについて/西村一成
僕は日々ひたすら絵を描きつづけている。呼吸し、食べ、排泄し、眠るのと同じようにだ。線は僕の肉体の延長としてうねり、色は僕の精神の明滅を強烈に映し出す。それは世界との直感的な交錯によって瞬発的に繰り出される。描きあげた末に僕は疲れ果てて倒れ込む。そのとき絵は、僕と不可分な、一人の人間のナマの姿だ。しかし決して個人的な表現として完結はしない。人は抗うことのできない天変地異の世界を生き抜いているが、いかに時空的に隔たっていようとも、その波動は今ここに伝わってくる。僕にできることといえば、その波を感受し、祈ることしかない。だから僕の絵の中に彫り出される図像は、祈らずにいられない根源的衝動が形づくる現実だ。どんな状況であれ、人はこの世界を必要としている。僕も日々ひたすら世界を感じつづけている。僕自身と、そして誰かの生(せい)のために。
監督・撮影 | 伊勢朋矢 |
出演 | 西村一成 |
音楽 | ロケットマツ (パスカルズ) |
作品データ | 2024年 /日本/5.1ch/101分 |
配給 | Planetafilm |
上映期間 | 6/29(土)~7/12(金) |
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上映時間 | 16:00 |
当日料金 | 一般:1,800円/大学・高校:1,500円/シニア:1,200円/障がい者:1,000円 |