巨悪の犯罪行為から浮かび上がる悪の凡庸さ 歴史に名高いアイヒマン裁判を描いた傑作ドキュメンタリー映画! ユダヤ人国家イスラエルが南米のアルゼンチンに逃亡していたナチスの親衛隊(SS)中佐アドルフ・アイヒマン(1906~1962)を拘束し、同国の法廷で裁いた”アイヒマン裁判”。1961年4月11日イェルサレムで始まった裁判は、イスラエル政府の意向で裁判の一部始終が撮影・録音され、その内容は全世界37ヵ国で放映されたと言われています。イェルサレムに保管されたアメリカの取材チームによるヴィデオ素材に初めてアクセスを試みたのが、本作の作り手たち。”国境なき医師団”元総裁のロニーと、イスラエル映画界の”反体制派”の一人とも言われる映像作家エイアルは、約350時間に及ぶ記録素材を元に、約2時間の映画に再構成しました。映画は、”専門家(スペシャリスト)”としてのアイヒマンの技術的能力と専門知識を浮かび上がらせる一方で、防弾ガラスに囲まれた被告人席で口びるをゆがめ「自分は上司の命令に従っただけ」とひたすら主張する小役人の肖像を、無慈悲なまでのリアリズムで描写します。ハンナ・アーレントが説いた”悪の凡庸さ”の実像を鮮烈に描いた衝撃作!アドルフ・アイヒマンは人間の皮をかぶった悪魔なのか?
監督 |
エイアル・シヴァン |
作品データ |
1999年/イスラエル=フランス=ドイツ=オーストリア=ベルギー/123分/モノクロ(一部カラー)/DCP |
配給 |
コピアポア・フィルム |
上映期間 |
4/29(土)~5/19(金) |
上映時間 |
10:00 |
当日料金 |
一般:1,500円/大・高:1,300円/シニア:1,000円 |