中国の大地に置き去りにされた女性たちー
「中国残留婦人」を知っていますか?
東京・江東区に暮らす栗原貞子さんは、1944年、18歳の時に、「満蒙開拓女子義勇隊員」として満州に渡った。「8ヶ月の訓練を終えたら帰ってもいい」という約束のはずが、帰国は許されず、現地の日本人男性と強制的に結婚させられ、定住を余儀なくされる。その後、戦況悪化で男性たちは出征し、開拓団には女性と子ども、高齢者だけが残された。
敗戦の混乱の中帰国することができず、その後35年もの間“中国残留婦人”として生きた女性の半生を通して、戦後の日本が置き去りにしてきた“もうひとつの戦後”を描き出す。
キネマ旬報ベストテン(2009年) 文化映画部門第9位
あいち国際女性映画祭 観客賞
2009年/97分/カラー/ステレオ
1945年8月6日と9日、米国によって投下された原子爆弾は、広島と長崎に居住していた無辜の人々の尊い命を奪った。その中には、日本人だけでなく、朝鮮半島出身者や、捕虜として連れてこられていた欧米の兵士たちも数多くいた。彼らはあの瞬間、何を見たのか、その後の人生を、どんな思いで生きてきたのか。
福岡、韓国、オランダを訪ね歩き、原爆を生き抜いた人々の最後の瞬間に立ち会いながら、生き残ることができなかった人々の不在に迫る。
2014年/115分/カラー/ステレオ