奇想天外映画祭2022〈Vol.4〉

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タイムテーブル 

上映開始時間が不規則な回は赤文字にて表記しています。

9/24(土)『殺られる』18:50につきましては、19:05より本編からの上映となります。終映時間は変わりません。ご了承ください。

 

上映作品

A.『リキッド・スカイ』40周年記念 4Kデジタル修復版

© Slava Tsukerman

小さな宇宙船がニューヨークに着陸する。エイリアンたちは麻薬による陶酔を求めて、ヘロインからさらには人間のオーガニズム絶頂期に脳内で分泌される快楽物質を追い求めている。息をのむばかりの美と輝きの、失われたニューヨーク。セクシュアリティの解放、性的暴力に対する復讐、セックスに憑かれた男たちは絶頂に達すると消滅する。奇怪で気取ってそれでいてきらびやかな世界。そして”ジェンダーファック・ファッション”。この世界を生み出したのが、共同脚本執筆者であり、レズとゲイのパンクモデルの二役をこなしたアン・カーライルだ。痛快で”ぶっ飛んだ”『リキッド・スカイ』はカルトの枠を超えた唯一無二の作品として鮮やかに光り輝く。

 

監督 スラヴァー・ツーカーマン
出演 アン・カーライル/ポーラE・シェパード/ボブ・ブラディ
作品データ アメリカ/1982年/112分/カラー/DCP(※上映は原板から変換した2K上映)

 

B.『ワンダーウォール』

© Hollywood Classics

ロンドン。初老の自然科学者オスカー・コリンズはアパートの隣に越してきたジェーン・バーキンを偶然見つけた壁の穴から覗いているうちに、研究対象を”若いキュート”な彼女に変えてしまい夢と幻想の世界にはまり込んでしまう。イギリス時代最後の主演作となったバーキンはセリフ一切なし(ただ覗かれるだけの不可思議な役どころ)。音楽はサントラ盤が最初のアルバム「不思議な壁」となったジョージ・ハリソンが担当。インド・テイストのサウンドが全編に響き渡る。『レッド・ツエッぺリン/強熱のライブ』のジョー・マソットのサイケデリックなデビュー奇作。

 

監督 ジョー・マソット
音楽 ジョージ・ハリソン
出演 ジェーン・バーキン/ジャック・マッゴーラン
作品データ イギリス/1968年/88分/カラー/BD

 

C.『顔のない眼』

© Gaumont

”ジョルジュ・フランジュ生誕110年記念上映”

ジェネシュ医師の娘クリスティーヌは交通事故で顔に大火傷を負い森の中の屋敷で仮面をつけてひっそりと暮らしていた。ジェネシュはクリステイーヌにもとの顔をとりもどそうと若い女性を殺して彼女たちの顔の皮膚を娘に移植するのだが、何度試みても失敗してしまう、、。怪奇と幻想と恐怖に満ちたフランジュのホラー映画史に残る傑作。

 

監督 ジョルジュ・フランジュ
出演 ピエール・ブラッスール/アリダ・ヴァリ
作品データ フランス・イタリア/1959年/90分/モノクロ/BD

 

D.『赤い夜』

© Films Sans Frontieres

”ジョルジュ・フランジュ生誕110年記念上映”

テンプル騎士団の秘宝を狙って、”赤い仮面”の男が率いる仮面軍団とゾンビ軍団が共闘して挑むのだが、、。フランジュの『ジュデックス』の流れを組む荒唐無稽なB級アクション活劇。

 

 

 

監督 ジョルジュ・フランジュ
出演 ゲイル・ハニカット/ジャック・シャンプルー
作品データ フランス=イタリア/1974年/105分/カラー/BD

 

E.『狂乱の大地』

© Grupo Novo de Cinema e TV

’60年代初頭、突如ブラジルに現れた”狂気”がヨーロッパの映画人たちを震撼させた。グラウベル・ローシャ。架空の軍事独裁国エル・ドラドの革命と反乱を描いたローシャ3作目の本作は、ひたすらアナーキーな世界に邁進する主人公の情念とパワーが画面にほとばしり見るものを圧倒する”シネマ・ノーヴォ”の怪傑作。

 

 

 

監督 グラウベル・ローシャ
出演 ジャルデルー・フィーリョ/グラウセ・ローシャ
作品データ ブラジル映画/1967年/107分/モノクロ/BD

 

F.『昇天峠』

© Films Sans Frontieres

メキシコ、ゲレーロ州の海沿いの村、サン・へロミート。村はヤシの実で成り立っている。主人公オリヴェリオの結婚式の当日、突然母の容態が悪くなったことから、彼は事情で隣町までバスで行く事になる。だが危険な山道をバスには驚くべき珍事が満載だった。メキシコ時代のブニュエル・ワールド満載の逸品。

 

 

監督 ルイス・ブニュエル
出演 リリア・プラド/カルメン・ゴンザレス
作品データ メキシコ映画/1951年/75分/モノクロ/BD

 

G.『殺られる』

@Productions J Roitfeld

1950年代末にフランス映画界に登場したモダン・ジャズと犯罪映画の結びつきがあり、『死刑台のエレベーター』とマイルス・デイヴィスや『大運河』とMJQなどに次いで登場したのが『殺られる』である。当時にしては珍しく暴力とエロティシズムを随所に盛ったノワールの佳作であり主演のロベール・オッセンが素晴らしい。

 

 

監督 エドウアール・モリナロ
音楽 アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ
出演 ロベール・オッセン/フイリップ・クレイ/マガリ・ノエル
作品データ フランス/1959年/90分/モノクロ/35mm

 

H.『サイド・ストリート』

© MGM

郵便配達員のジョーはついで出来心で弁護士事務所から金を盗むがそれは”悪徳”弁護士が不法な手段で得た金だったことから、事態は思わぬ展開で突き進んでいく、、。舞台となるニューヨークの街、人々をリアルに描いた稀有な作品でありクライマックスのカーチェイス・シーンは伝説になっているアンソニー・マン・ノワールの傑作。

 

 

監督 アンソニー・マン
出演 ファリー・グレンジャー/キャシー・オドネル
作品データ アメリカ/1950年/83分/モノクロ/BD

 

I.『注目すべき人々との出会い』

© Remar Productions

ボブ・デイラン、キース・ジャレットなどのミュージシャンに大きな影響を与えた”神秘思想家”グルジェフの自伝を演劇界の重鎮として名高いピーター・ブルック(2022年7月逝去)が映画化した異色作。生きる心理を求めた青年グルジェフの冒険と神秘に満ちた”覚醒への旅”の最後に登場するグルジェフの”神聖舞踏”は圧巻のフィナーレだ。

 

 

監督 ピーター・ブルック
出演 ドラガン・マクシモヴィク/テレンス・スタンプ
作品データ イギリス/1979年/107分/カラー/35mm

 

J.『赤い唇』

©Films Sans Frontieres

ベルギーの港町のホテルを舞台に繰り広げられる恐怖とエロテイシズムにに包まれた禁断の世界を描いた怪奇幻想映画。独自の耽美映像で知られるハリー・クーメルの代表作として知られる本作の主人公エリザベート伯爵夫人を演じたセイリグの銀色に輝くミステリアスな美貌に酔いしれる。

 

監督 ハリー・クーメル
出演 デルフィーヌ・セイリグ/ダニエル・ウイメ
作品データ ベルギー=フランス=ドイツ/1971年/100分/カラー/DCP/15歳未満の方のご鑑賞はご遠慮下さい

 

K.『マルチプル・マニアックス』

©Janus Films

1970年の『ピンク・フラミンゴ』で”バッド・テイスト映画の帝王”と一躍その名を刻んだジョン・ウオーターズが’68年に5,000ドルで製作した長編円処女作。ウオーターズ自身が”セルロイドの残虐行為”と呼んだこの作品の主役はドラァグ・クイーンの先駆者として名高いデヴァイン。

 

 

 

製作・脚本・撮影・編集・監督 ジョン・ウォーターズ
出演 ディヴァイン/デイヴィット・ロチャリー/メアリー・ヴィヴィアン・ピアース/ミント・ストール/ジョージ・フィッギス
作品データ 1970年/アメリカ/モノクロ/96分/DCP/15歳未満の方のご鑑賞はご遠慮下さい

 

上映期間 9/17(土)~10/7(金)
上映時間 作品案内参照
当日料金 一般:1,500円/大学・高校:1,300円/シニア・障がい者:1,000円
特別鑑賞券 3回券の販売は終了いたしました。
備考 『赤い唇』『マルチプル・マニアックス』15歳未満の方はご鑑賞いただけません。
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