ウカマウ集団60年の全軌跡

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ウカマウ集団60年の全軌跡

ボリビア独立200周年/日本との協働50周年記念
未公開の新作2本を含む全14作の特集上映

 

 

 

上映作品

A『女性ゲリラ、フアナの闘い -ボリビア独立秘史-』★日本初上映

スペイン植民地支配からの解放闘争を担った実在の女性、フアナ・アスルドゥイ(1780〜1862)。映画は、ボリビアが独立を宣言した1825年、チュキサカ(現スクレ)にあるフアナの質素な住まいを、後に、ボリビアの国名の由来となるシモン・ボリーバルと、ボリビアの初代大統領となるアントニオ・ホセ・デ・スクレが訪ねるところから始まる。サンヒネス監督は「私の中で常に何かをかき立ててくれた人物。19世紀という時代の植民地主義者や宗教者の偏見と闘い、女性の、人間の、母親の権利獲得のためにゲリラ兵士となった。多くの女性たちに、とりわけ観てほしい」と語っている。

 

監督:ホルヘ・サンヒネス
出演:メルセデス・ピティ・カンポス、クリスティアン・メルカード、フェルナンド・アルセ
2016年/カラー/103分/「Guerrillera de la Patria Grande, Juana Azurduy」

 

 

 

B『30年後 -ふたりのボリビア兵-』★日本初上映

ボリビア現代史の重要な事件・チャコ戦争(隣国パラグアイとの間で1932年から35年にかけて戦われた)で、同じボリビア軍に属していた白人で裕福な家庭出身のギレェルモとアイマラ人で貧農のセバスティアン。ギレェルモが、負傷したセバスティアンを救ったことから、ふたりの間には友情が育まれる。上官の人種差別的振る舞いに反抗し、軍事裁判で死刑判決を受けるギレェルモ。兵営から脱走を図り、セバスティアンも彼に同行するが、やがて二人は真逆の方向の道を辿ってゆく……。白人と先住民のステレオタイプなイメージを打ち壊し、融和の道を探す最新作。

 

監督:ホルヘ・サンヒネス
出演:クリスティアン・メルカード、ロベルト・チョケワンカ
2022年/カラー/110分/「Los Viejos Soldados」

 

 

C『革命』

‘64年ライプチッヒ映画祭ヨリス・イヴェンス賞 ほか

ありのままの画像・音楽・音を用いて、ボリビア民衆の貧窮の実態を示す第1作短編。

 

1962年/白黒/10分/「Revolución」

 

 

D『落盤』

掘り尽くしたと見做して鉱山企業が見捨てた危険な場所で採石する鉱夫たちを描く。

 

1965年/白黒/20分/「Derrumbamiento」、ケチュア語原題:¡Aysa! 

 

 

E『ウカマウ』

‘66年カンヌ映画祭青年監督賞
ティティカカ湖上の太陽の島に住むインディオ農民の妻が、メスティーソの仲買人に暴行され、殺された。長い時間をかけての復讐を誓った青年の前途は? この初の長編映画が大きな評判を得て、タイトルが集団名として採用された。

同時上映: 革命(Revolucion)

 

1966年/白黒/75分/「Así es」、アイマラ語原題:Ukamau

 

 

 

F『コンドルの血』

‘70年仏ジョルジュ・サドゥール賞 ほか
アンデスの一寒村に医療チームを名乗ってやってきた北米人たちは、診療所で何をしていたのか? 現実の出来事を題材に、先住民女性に対する強制的な不妊化手術の実態を描く。北米「平和部隊」の国外追放を実現した話題作。
同時上映:落盤(Derrumbamiento)

 

1969年/75分/白黒/「Sangre de Cóndor」、ケチュア語原題:Yawar Mallku

 

 

 

G『人民の勇気』

‘71年ベルリン映画祭 OCIC(国際カトリック教会)賞
’71ペサロ映画祭最優秀映画賞
1967年6月24日、チェ・ゲバラ指揮下のゲリラの連帯を計画していた鉱山労働者の住宅区を政府軍が攻撃、多数が殺された。現場に居合わせた人びとの証言を通して再構成される歴史的事実。「史上もっとも力強い映画」と評価された。

 

1971年/白黒/93分/El Coraje del Pueblo

 

 

 

H『第一の敵』

‘75年カルロヴィヴァリ映画祭グランプリ ほか
都市からやってきたゲリラと貧農の出会いから、反地主・反帝国主義の共同闘争の過程を描く。1980年日本で最初に紹介されたウカマウ集団の作品で、この映画が高い評価を得て、その後45年続く自主上映・共同製作の基盤をつくった。

 

1974年/白黒/98分/「El Enemigo Principal」、ケチュア語原題:Jatun Auk’a

 

 

 

I『ここから出ていけ!』

‘77年カンヌ映画祭監督週間正式出品 ほか
アンデスの先住民村に現れた北米人宣教師の、真の意図は? 村人の間に生じた精神的な亀裂につけ込んで、鉱物資源開発を目指して入り込む多国籍企業。先住民居住区にある資源は誰のものかを問う、先駆的な問題提起の映画。

 

1977年/白黒/102分/Fuera de Aquí!、ケチュア語原題:Lloksy Kaymanta

 

 

 

J『ただひとつの拳のごとく』

‘83年ハバナ新ラテンアメリカ映画祭ドキュメンタリー部門グランプリ
1970年代の10年間を支配した軍事政権は、80年代初頭のどんな民衆運動によって打倒されたのか。今まさに胎動している民衆運動を内部から描いた、ウカマウ集団はじめてのドキュメンタリー作品は、群集シーンの力強さが印象的だ。

1983年/カラー/92分/Las Banderas del Amanecer

 

 

 

K『地下の民』

‘89年サンセバスチャン映画祭グランプリ
‘89年ハバナ新ラテンアメリカ映画祭 外国紙グラウベル・ローシャ賞
街に暮らしてきた先住民セバスチャンは、かつて追放された村に帰る決意を固めた。現実と虚構、過去と現在を交錯させた大胆な手法で、過去への償いの旅を続ける男を通して、民族的アイデンティティの喪失と再生を描いた力作。

1989年/カラー/125分/La Nación Clandestina

 

 

 

L『鳥の歌』

‘95年ロカルノ映画祭「質と刷新」賞
‘95年ボリビア映画祭 銀撫子賞
16世紀、アンデスを「征服」したスペイン人遠征隊の事業を批判的に捉える映画を作ろうとした映画スタッフが、ロケ地の先住民村で直面した現実とは?「ここから出ていけ」とまで迫られた映画人たちがたどる内省の過程を描く。ジェラルディン・チャプリン主演。

 

1995年/カラー/100分/Para Recibir el Canto de los Pájaros

 

 

 

M『最後の庭の息子たち』

民衆が経済危機の中で苦難の生活をおくるなか、政府高官は汚職を繰り返している。それに怒りを燃やし、何かの行動を考える青年。他方、現代風な享楽的な日々をおくる青年たち。確たる展望も持たぬままにもがく青春群像を描く。

 

2003年/カラー/97分/Los Hijos del Ultimo Jardín

 

 

 

N『叛乱者たち』

‘13国際政治映画祭第一位(ブエノスアイレス) ほか
18世紀末、スペインの支配からの解放を目指す先住民族の戦いに始まり、2005年、ついに先住民出身のエボ・モラレス政権が誕生するまでのボリビア史を物語る。さらにグローバリゼーションという大波に抵抗する21世紀の革命の映画を模索した。

 

2012年/カラー/83分/Insurgentes

 

 

 

 

配給:シネマテーク・インディアス
配給協力:スタンス・カンパニー/ムヴィオラ
宣伝:スリーピン
©Fundación Grupo Ukamau

上映期間 4/26(土)~5/23(金)
当日料金 一般:1,600円/大学・高校:1,300円/小・中学生・シニア:1,200円/障がい者・同伴者(1名まで):各1,000円
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